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拍手文 2010/5 [過去拍手文]

2010年5月の拍手文です。



5月10日~16日は愛鳥週間

「今日の夜、うちに来れるか?」
愛する絳攸のお誘いを断るはずもなく、羽林軍の演習もそこそこに楸瑛は朝廷を出た。

一度邸に戻って、湯あみしたほうが良かったかな、汗臭いと嫌われないだろうか。
演習の後にからだも髪も水浴びしたが、藍邸の香油が入った湯につかったほうが絶対いい匂いがするはずで・・・。

でも、街で人気の菓子を買いたかったし、遅れると怒るだろうから楸瑛はそのまま李邸に向かった。

「黎深様がお出かけなさる」

楸瑛の耳には、昼間の絳攸の声が残っている。

それって、それって、もしかして、お誘い?

拍手の題名が気になるが、それは絳攸を小鳥のように啼かしていいってことだよね?

黎深殿が藍家を嫌っているので、李邸に行くことはほとんどない(自分で言ってせつない)絳攸の室に入るなんて初めてだ。

家人に案内されて絳攸の室に入る。待っていたのは満面の笑みの絳攸。

楸瑛も微笑みを浮かべて抱きしめるために、絳攸に手を差し出した。

「見てくれ!文鳥を頂いたんだ!」

楸瑛の手のひらに乗せられた鳥かごには、文鳥が2羽はいっていた。

(お約束)




まだ愛鳥週間


「へええ、文鳥を飼っているの」
楸瑛の声はいささか引き攣っていたが、文鳥を覗きこんでいる絳攸は気付かない。
「黎深様と百合さんからな。かわいいだろう?」
たしかに、白文鳥と桜文鳥は可愛かった。でも絳攸のほうがずっと可愛いよと楸瑛は思う。
「出しても逃げないんだ」
いそいそと籠を開けて、絳攸が手をさしだす。文鳥はぴょこっと手に収まった。
「手のりにしたの?」
「手のり?」
「雛のうちに親から離して人間が育てると、飼い主にすごくなつくんだよ」

言ってから、しまったと思ったが遅かった。絳攸の顔が曇る。
「黎深様も百合さんも、そんなことしない」
「そうだよね!きっと人懐こい文鳥なんだよ」
気を取り直したのか、絳攸が笑って楸瑛もさわっていいぞと文鳥を差し出した。

よかった。絳攸の機嫌がなおって。
楸瑛が文鳥を受け取ろうとしたとたん、ぱたぱたと飛び上がり、楸瑛目指して急降下した。

ぐさぐさっ!
「痛ーっつ!!!!」
文鳥は楸瑛の生え際を容赦なく突き刺した。

「楸瑛!」

籠に戻った文鳥たちがキランと目を光らせたことに気がつかなかった。
 
・・・・私達の絳攸に手を出そうなんて十年早いわよ

結局、小鳥に泣かされたのは楸瑛だった。

黎明・・・を読んだ人にだけわかる話ですみません。

拍手ありがとうございました。

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